おおむね農夫、時に木こり。「山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし」(山頭火)。こんな生活のあれこれを綴ります。
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夫婦円満六十年の秘訣
じじ㊦

      春蘭(シュンラン)の花が咲き始めた。
     野生の春蘭は乱獲や開発で全国的に少なくなっているそうだ。
     谷間の段々畑わきの山には、少ないながら、まだ自生しているけれど、
     家に持ち帰って鉢植えにしようとは思わない。
     山野草は山野で眺めるのが一番だ。

じじ㊤

      春蘭にはジジババ、ジイババ、ジイトコバアトコ、ジンジンバアなど、
     土地によって様々な呼び名があるようだ。
     我が山里ではジイサンバアサン(爺さん婆さん)と呼んでいる。
     花の姿が腰の曲がった老人に見えないこともないからだろうか。

      私の住む集落に、とても仲がいいと評判の老夫婦がいる。
     ともに八十代。畑でもタケノコ山でもいつも二人一緒に働いている。

      集落の飲み会で誰かが「ほんに仲のいいことで……」と水を向けたことがある。
     すると婆ちゃんは「なんの!六十年間けんかばっかりよ」と仲良し説を
     言下に否定した。
     その横で、小柄で無口な爺ちゃんは苦笑いをしている。

      婆ちゃんの話によると、爺ちゃんは煮え切らない性格で、自分がいちいち
     注意しないと物事が前に進まないのだという。
     大人しい爺ちゃんの箸の上げ下ろしにガミガミ言う婆ちゃんの姿が
     目に浮かぶようだね。

      ただ、爺ちゃんは、卵を落とした味噌汁を出しさえすれば機嫌よく働くので、
     その点は楽だったそうな。
     卵が貴重品だったころ、卵の入った味噌汁は滅多にお目に掛かれない
     御馳走だった。
     卵入り味噌汁を飲む爺ちゃんの喜びは多分、若い人には理解できないだろうが、
     私には分かるような気がする。

      婆ちゃんは今でも毎日、味噌汁に卵を一個落としているそうだ。
     それが夫婦円満六十年の秘訣だと言えば誇張になると思うけれど、一つの
     要因だったことは間違いないのではなかろうか。  

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20071103161540.gif    
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2012.05.05 Sat 17:15:39 | | 2 comments
コメント
この記事へのコメント
良い話をありがとう
リィママ さん こんにちは。

 「卵を入れたのは好かん」のに何十年も
黙って食べ続けたのですね。
思わず笑ってしまいましたが、御夫婦がお互いに
相手を気遣っている様子が伝わって来ました。
これが夫婦ですよね。


 
2012.05.06 Sun 17:02:48 | URL | 沢太郎 #fZUo1r6Y[ 編集]
相手の好みが分かっている場合はやりやすいですね。

私が嫁いで来て何年かした頃のこと。
いつものように卵入りのお味噌汁を出した義母に義父がひとこと
「俺は卵を入れたのは好かん」
結婚して何十年も経ってるのに、今更って感じですよね。
「好かんやったとね」と大笑いでした。

ラジオでもホウレンソウの事で言ってました。
好きな芯の方をご主人にあげて、自分は我慢して葉の方を食べていた。
結婚して随分経ってから「やっぱホウレンソウは葉の方がおいしい」と言ったそう。
相手を思うあまり、よかれと思った事が逆になるなんて。
長い夫婦生活、言葉に出すのも大事ですね。
2012.05.06 Sun 00:46:01 | URL | リィママ #-[ 編集]
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