おおむね農夫、時に木こり。「山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし」(山頭火)。こんな生活のあれこれを綴ります。
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マムシの里の赤い花
 谷間の段々畑脇の杉林に近寄りがたい一角がある。
奥の方の谷水が湧くあたり。
羊歯が繁っていて昼でも薄暗く、葉陰に不機嫌な顔をしたマムシがとぐろを巻いていそうな場所だ。
そこへ走り込んだのが名犬オグリ。
いくら呼んでも戻ってこないので、仕方なく行きたくない一帯に足を踏み入れた。花茗荷
 
 前方に見える赤いものを目指して行くと、それはハナミョウガの群落だった。
林には何度となく出入りしているが、ハナミョウガを見たのは初めてだ。

 私「初めまして。ご挨拶が遅れました」
ハナミョウガ「それはお互い様ですよ」
私「せっかく綺麗に咲いても、見る人がいなくて寂しくないですか」
ハナ「人に見せるために咲いているわけではないですから」
私「地面が湿っていてマムシがいそうですね」
ハナ「沢山いますよ。あなたが立っているあたりで、さっきまでマム君が昼寝していましたが……。
おや、どこに行ったのだろう。呼びましょうか?」
私「いえいえ、とんでもない。急用を思い出したので、今日はこれで失礼しますよ」

 谷水を飲んでいたオグリを横抱きにして坂道を駆け下りたのでした。

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2008.05.31 Sat 16:15:34 | | 0 track backs, 2 comments
いびつな田んぼに映る月
田植え直前 写真は水を張った田植え直前の田んぼである。
杉の山と電柱や電線が逆さまに映っているのが、お分かりだろうか。

 山里には平野部のような広大な1枚田は無い。
小さな田の輪郭が地形に従って曲がり、へこみ、ふくらんでいる。

 そんないびつな田から田へ、歩くにつれて月が移っていく。
これが田毎(たごと)の月。
田んぼの水面が見えるちょうど今ごろの季節だろう。

 梅雨入りを控えて、はっきりしない天候が続く。
今夜は雨が降るという。
田毎の月を見るのはお預けでしょうね。

                帰る雁田毎の月のくもる夜に(蕪村)

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2008.05.30 Fri 15:35:41 | その他| 0 track backs, 2 comments
あれも月見草 これも月見草
昼咲き月見草 月見草の花は黄色だ、と長らく思っていた。
「富士には月見草がよく似合ふ」というフレーズで有名な太宰治の『富嶽百景』にも

 老婆も何かしら、私に安心してゐたところがあつたのだらう、ぼんやりひとこと、「おや、月見草。」
さう言つて、細い指でもつて、路傍の一箇所をゆびさした。さつと、バスは過ぎてゆき、私の目には、いま、ちらとひとめ見た黄金色の月見草の花ひとつ、花弁もあざやかに消えず残つた。

と書いている。

 太宰が見た黄金色の月見草は、待宵草か大待宵草だったのだろう。
あながち間違いではないが、“本当の月見草”の花は純白で、夕方に咲き始め一晩月を眺めたあと、翌朝にはしぼむのだそうな。
残念ながら、私は純白の月見草を見たことが無い。

 上の写真の花は空き家の荒れ庭に咲いていた。
昼間から桃色の花を咲かせるから桃色昼咲き月見草。
あまりにも即物的な名前に似合わない、はかなげな風情の美形である。

 白も黄色も桃色も、みんな月見草。
本家争いは野暮というものだ。

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2008.05.29 Thu 15:51:12 | | 0 track backs, 0 comments
お天道さんありがとう
空豆収穫 空を指差していた空豆のサヤが、頭を垂れて地面を見詰めている。
そろそろ収穫してもいいですよという合図だ。

 お言葉に甘えて両手に余るほど収穫した。
今夜から当分、晩酌のつまみは空豆の塩茹でだ。
湯気の立つ翡翠色の豆を噛むと、口の中に甘味が広がる。
これぞ初夏の味。

 3つ4つの病気を抱えながら、何とか畑仕事が出来る。
旨い酒も飲める。
米びつが空になることも無い。

 幸せだな、と思う。
お天道さんありがとう。

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2008.05.28 Wed 16:02:10 | 暮らし| 0 track backs, 2 comments
働き蜂の本懐
       死んだ蜂

 アザミの花の上で蜜蜂が死んでいた。
働き過ぎて過労死したのだろうか。

 花の芳香にくるまれ、蜜のしとねに眠る。
働き蜂の本懐、これに過ぎるものなし。
うらやましい終わり方だ。

 近年、先輩だけではなく、私より若い人たちの訃報に接することが多くなった。
生者必滅と頭では分かっているのだが、そのつどしばし気が滅入る。

                この次は俺の番かと鴉鳴く

 確か一茶の句だったと記憶する。
うろ覚えなので句の文言も間違っているかも知れない。

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2008.05.27 Tue 15:48:39 | その他| 0 track backs, 0 comments
君もコクリコわれもコクリコ
ヒナゲシ 左の写真はナガミヒナゲシ(長実雛罌粟)だと思われる。
なかなか綺麗な花だが、わざわざ庭に植えたり、鉢植えにしている人を見たことが無い。
道端や空き地にいくらでも咲いているから、そんな気にならないのだろう。

 ヒナゲシ(雛罌粟)には、ほかに虞美人草、ポピー(英語)、アマポーラ(スペイン語)、コクリコ(フランス語)といった呼び方があり、種類も多いという。
雛罌粟と書いてコクリコと読ませる与謝野晶子の有名な歌がある。
パリにいる夫・鉄幹に呼ばれて渡仏した晶子34歳の作だ。

      ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君も雛罌粟われも雛罌粟

 当時、晶子は「当代一の女詩人」ともてはやされ、落魄した鉄幹と立場が逆転していた。
感性の鋭い芸術家同志が同じ屋根の下で暮すとき、凡人には窺い知れない確執があったに違いない。
鉄幹は妻子を残して一人、パリへ旅立っていく。

 晶子は夫に会うためにシベリア鉄道経由でパリに向かった。
コクリコの歌はフランスを走る列車の中で作られたという。
車窓一杯に広がる火の色をした花を晶子はどんな気持ちで見たのだろう。
久しぶりに夫に会う感情の高ぶりが感じられるのだが。 

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2008.05.26 Mon 16:09:57 | | 0 track backs, 2 comments
 As time goes by
  このブログが今日から3年目に入った。
きのうまでの2年間の730日で、休んだのは入院中の8日間だけ。
更新率98.9%は我ながら上出来だ。
(肝心の内容は?などと聞かないで下さい)。

 時が過ぎ行くままに、気が向くままに山里の平凡な日常を綴っていく。
一心行の大桜などを除いて、なるべく同じことは書かないようにしているつもりだが、書いたことを忘れて重複したらご勘弁願いたい。

 
 時が過ぎ行くままに、と書いたら映画「カサブランカ」を思い出す人も多いだろう。
酒場の黒人ピアニストが弾くジャズのスタンダードナンバー「As time goes by 」だ。
この曲は、かつてパリで夢のような時を過ごした主演のハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンの思い出の曲。
理由を知らされないままバーグマンに去られたボガードは、2度とこの曲を弾くなとピアニストに命じるのだが……。

 時が過ぎ行くままに80歳ぐらいまで生きられたらいいな。
ある日、バーグマンのように美しい人が畑に来て、「そのトマト綺麗ね。一ついただいていいかしら」と声を掛けてくれるかも知れないではないですか。

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2008.05.25 Sun 16:11:05 | 暮らし| 0 track backs, 12 comments
アリ地獄
蟻地獄 納屋の入り口にアリ地獄があった。
見た瞬間に記憶は遥か昔に飛ぶ。

 小学校低学年のころ、お寺の境内を遊び場にしていた。
本堂の軒下にアリ地獄がいくつもあり、「この中にアリが落ちたら、砂の底に隠れている虫に食べられてしまうんだ」と誰かに聞いたように思う。

 私たちはアリ地獄の周りにしゃがんで、アリを捕まえては落とし、アリが乾いた砂をぽろぽろ崩しながら懸命に登ろうとするさまを眺めたものだ。
ウスバカゲロウの幼虫が実際にアリの体液を吸うところを見たかどうかは覚えていない。
子供は罪悪感も無く残酷なことをするもんだね。

 集落の爺ちゃんに聞いたら、子供のころアリ地獄のことを「こっぽどり」と言っていたという。
「こっぽ」、あるいは「こっぽどり」が何のことか今でも知らず、アリ地獄を見たら、「こっぽどりがあった!」と叫んでいたそうな。
「こっぽ」って何だろうな。

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2008.05.24 Sat 16:53:12 | その他| 0 track backs, 2 comments
ホタルの飛ぶ夜は
 きのうの晩は月に暈 (かさ)がかかって暗く、星も出てなかった。
空気がどんより重い。
こんな日はホタルが飛ぶぞ、と思ったとおり庭にホタルがやって来た。

 空中や草の陰で青白い光を点滅させていた3匹が暗い裏山に消えると、また新手がふわふわ漂って来る。
50メートルほど坂道を下れば、もっと沢山のホタルが見られるのだが、私はこれで十分だ。

 ホタルを見ると、56歳で死んだ弟のことが頭をよぎる。
さまざまな思い出が泡のように浮かんでは消え、消えては浮かぶ。
チョウやトンボを見ても、思いに浸ることは無い。
ホタルには気の迷いを誘う特別な力があるのだろうか。

              死蛍に照らしをかける蛍かな(永田耕衣)

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2008.05.23 Fri 16:16:40 | 暮らし| 0 track backs, 0 comments
何が起きても不思議ではない
 収穫間際の麦畑を見ると、温かい湯の中で、手足をゆったり伸ばしたような気分になる。
なんという豊かな色だろう。麦畑
 隣町は小麦の生産が盛んなようだが、それぞれの畑の規模はママゴトのように(失礼)小さい。
地の果てまで続くアメリカやオーストラリアの畑を「面」とすれば日本は針の先で突いた「点」だろう。
国内産小麦の生産コストが輸入小麦の4倍という数字は、むしろ控えめではないかなあ。

 小麦を安い外国産に頼った結果、2006年の小麦の自給率は14%。
パン用の小麦に限れば自給率は1%だという。
必要な小麦を安く、永続的に輸入できれば、これはこれで合理的なのかも知れない。

 だが、オーストラリアが旱魃で小麦が不作になったら、うどんやパンがたちまち値上がりした。
バイオエタノール燃料への転用で穀物価格も急騰している。
世界の異常気象や自然災害、社会の変化が日本の食を直撃する。
食糧は安い外国産を輸入すればいいという時代は終わりに近づいているのではないか。

 世の中、何が起きるか分からないし、何が起きても不思議ではないのだ。

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2008.05.22 Thu 16:38:45 | 暮らし| 0 track backs, 4 comments
草の花 小鳥 ホタル
庭セキショウ 家賃2万円の借家ながら庭付き1戸建てに住んでいる。
枝ぶりのいい松や花壇があるわけでもない空き地を庭と呼べれば、の話だが。

 さて、その空き地は時々、草を刈らなくてはならないほど野の草が生い茂り、それぞれの花を咲かせる。
今咲いているのはニワゼキショウ(写真上)、ユキノシタ、ムラサキカタバミ、ムシトリナデシコなど。
ほかにも咲いているが、名前が分からん。
大方は小さな地味な花だ。

 季節の花だけではなく、小鳥たちもやってきて草の実や虫を食べる。
もうすぐホタルも青い光を点滅させるだろう。

 なんだ、草だらけの空き地じゃあないかとそしらばそしれ。
私は結構楽しんでいるのだ。

             濃き日ざし庭石菖を咲き殖す(上村占魚)

 ちっともいい句だとは思わないが、目立たないニワゼキショウに注目した数少ない句として。

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2008.05.21 Wed 16:06:32 | | 0 track backs, 0 comments
露の世は……
        ツユ

 雨上がりのミニ果樹園。
ナンテンの葉に露が宿り、きらきら光っていた。

 風が吹いてこぼれ落ちるか、日差しを受けて消えるまでの短い命。
露は、はかないものの例えとしてよく使われる。

               露の世は露の世ながらさりながら(一茶)

 上の句は、大の子煩悩だった一茶が、生後四百日の我が子を疱瘡で亡くした時の作。
慟哭する57歳の一茶に、人は掛ける言葉もなかっただろう。

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2008.05.20 Tue 15:20:53 | 暮らし| 0 track backs, 0 comments
Oh! ダニーボーイ
 名犬(身びいきもいいところだね)オグリが軒下でぼんやり雨を眺めている。
山を走り回れないので、退屈しているのだろう。
いい機会だ、病院に連れて行こう。
雨の日の犬 
 数日前からヤブ蚊を見かけるようになった。
そろそろフィラリアの薬を飲ませないといけない。
ついでにダニの駆除薬も貰おう。

 草むらに潜むダニは、取っても取っても体に取り付いている。
オグリをダニーボーイと改名したくなるほど執念深い。
田舎で外飼いしたら、蚊とダニは逃げられない宿命のようなものだ。

 病院で体重を量ったら7.8キロあった。 
我が家に貰われてきたときは1.3キロ。
わずか3ヵ月で体重が6倍に増えたことになる。
よく食べ、よく遊んだ成果かな。

 フィラリアの薬は月に1回飲み、ダニ駆除剤も背中に塗ればダニは1ヵ月、ノミに対しては2ヵ月有効だという。
以上の薬代は2,310円。
怖ろしい病気を予防できれば安いと言うべきだろう。  

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2008.05.19 Mon 15:58:00 | その他| 0 track backs, 0 comments
散歩はイチゴを食べながら
キイチゴ 毎朝、5時半に起きて犬と一緒に散歩に出掛ける。

 昼の気温が30度近くになる日も、朝はひんやりして気持ちがいい。
にぎやかな小鳥の鳴き声を聞くのも田舎ならではの楽しみである。
今の季節はウグイス、ホトトギス、コジュケイが声張り上げて主役の座を競っている。
それぞれ上手で甲乙つけがたい。
「ブラボー!」君たち全員に拍手だ。

 散歩にはキイチゴを食べる楽しみもある。
口に含むと、まず甘味が広がり、二呼吸ほどして酸味がこれに加わる。
甘過ぎず酸っぱ過ぎず、味のバランスは絶妙と言うほかない。

 私は主人でエライから木になっているイチゴを食べ、名犬オグリは熟して地面に落ちたイチゴを食べる。
主従ともども大満足だ。

 口の中がすっきり爽やかになったら帰宅。
かくして、新しい1日がまた始まる。

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2008.05.18 Sun 16:15:04 | 食べる| 0 track backs, 0 comments
きっと豆にうなされるぞ
豆 スナップエンドウが大豊作だ。
毎日、さっと炒めて、緑色の濃い奴をパリパリ、ポリポリ食べている。
自然の甘味があって文句なしに旨いが、量が多くて食べ切れない。

 道の駅に出荷してみた。
250グラム100円。
250グラムは両手ですくって山盛りになる量だ。
決して少ない量ではあるまい。

 だが、10袋のうち3袋しか売れなかった。
完全無農薬、有機栽培の豆に100円の値打ちも無いと言うのかい?
1粒100円以上もするイチゴをありがたがって、スナップエンドウをバカにするのかい?

 よ~し、それなら買ってくれんでもよか。
あまった豆は捨てるわけには行かないが、近所はどこでも豆を作っているから、お裾分けも出来ないし――ということで、ひたすら自分で食べているわけだ。

 もうすぐ、キヌサヤもどっと取れ始める。
豆ばかり食べて体がおかしくならないだろうか。

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2008.05.17 Sat 16:24:02 | 食べる| 0 track backs, 6 comments
ひそかな紅
       栃の花

 栃(トチ)の花とマロニエは、姉妹みたいに似ているそうだ。
上の写真は栃の花のつもりだが、「いえ違います。私は妹のマロニエです」と言われるかも知れない。

 小さな花が数多く集合した不思議な形の花だ。
クリームの中のイチゴのカケラのような赤い点々は何だろう。

              橡(トチ)の花ひそかな紅を身の奥に(渡辺恭子)

 “変な花”が途端に妖しく見えてくる。
俳句の力、あなどるべからず。

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2008.05.16 Fri 15:06:02 | | 0 track backs, 1 comments
宙を飛ぶ花
タビラコ タバスコ?
違います。
それは調味料の名前でしょ。

 水辺の湿った場所に咲いているのは、ミズタビラコの花。
顔を近づけて見ると、清楚可憐な花なのだが、いかにせん小さ過ぎる。
せめて今の5倍の大きさがあれば、みんなの目にとまり、愛されるだろうに。

 群落の全体を撮ると、花が白いモヤのようになって形が分からない。
マクロに切り替えたら、小さな花にピントがなかなか合わず、何枚も失敗した。
コケの一念で撮り続けるうち、ついに捉えた決定的な瞬間が上の写真だ。

 花が一輪、宙に浮いていますね?
私の執念が念力になって花を飛ばしたのですよ。

 と言うのは、もちろんウソ。
どんな仕掛けがあったか、正解は文末でどうぞ。

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 (風に吹き飛ばされた花が蜘蛛の糸に引っ掛かったのでした) 
2008.05.15 Thu 16:33:32 | | 0 track backs, 0 comments
かっぱの母さん
 ご機嫌伺いに一筆啓上、お達者なりや。
 こんな書き出しの葉書をもらった。
筆者は、きのう書いた根無し草稼業のスタート地点・秋田で一緒だった同業他社のY君。
彼も全国を漂い、今は兵庫県に落ち着いている。

 彼いわく、「足腰の立つうちに」懐かしの秋田を40数年ぶりに訪ねたそうな。
青春真っ盛りの一時期を過ごした街へのセンチメンタルジャーニー。
その気持ちは、私にもよく分かる。

 秋田で驚いたことが二つあったという。
一つは居酒屋「かっぱ」の母さんが、93歳で健在だっただけではなく、私たちを実によく覚えていたこと。
「かっぱ」はカウンターと、4畳半ほどの小上がりがあるだけの小さな店で、母さんが一人で切り盛りしていた。
私たちは、ほとんど毎晩、長尻を据えてはうだうだと気炎を上げたものだ。
懐かしいなあ。
かっぱの母さん、お元気で何よりです。

 もう一つは街のさびれよう。
シャッター街が目立ち、川反(かわばた・飲食店街)通りの夕暮れ、ヒト少なし。
ホテルと証券のビルばかりさ。県都がこれだから何をか言わんや。


 秋田も近代的な都市になったのだね。
かっぱの母さんには会いたいが、ホテルや証券なんか見に行く気にはならないや。
そんなもの、どこにだってあるもん。

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2008.05.14 Wed 18:18:45 | その他| 0 track backs, 0 comments
根無し草のように生きて
切り株 裏庭の切り株から何かの芽が伸び始めた。
切り株中央の腐って穴が開いた所に、たまたま種が落ちたのだろう。

 この木は切り株を養分に育ち、うまくいけばいつかは根を地面に下ろして大木になる。
場所を選べない木は、種が落ちた所がたとえ石の割れ目であっても、そこで生きていくしかないのだ。

 それに引き換え、自分はどうだ。
横浜で育ち、東京の会社に就職すると、東北、関西、山陰、中国地方を転々とし、リタイアした今は何の地縁・血縁もない熊本北部の山里で暮らしている。
そして、この地も終の棲家ではない。
家も畑も山林も借り物なので、持ち主から返してくれと言われたら早々に立ち退かなくてはならない。

 ふわふわと漂う根無し草のような生き方だね。
40年近く働いて家1軒、畑1枚持てなかったのは不甲斐ないが、どこにでも行ける気楽さは捨てがたい。
山里の次は海辺の村で暮らそうか。

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2008.05.13 Tue 17:37:27 | 暮らし| 0 track backs, 0 comments
遅れて来たツバメ
        つばめ

 私の住む集落の田植えは6月に行われる。
同じ熊本でも時期としては遅い方かも知れない。

 田の耕作、畦の草刈り、苗代の準備がボツボツ始まった。
茶摘みやナス苗の植えつけと重なるので、みな忙しそうだ。

 水を入れた苗代にツバメが入れ替わり立ち代りやって来て、泥や草をくわえて行く。
おや、今ごろ家作りかい、遅いじゃないか。

 何かの事情で遅れて日本に到着したツバメは笑って言い返す。
「天草や阿蘇の田植えは、とっくに終わってますよ。遅いのはお互い様、のんびりいきましょう」

 きのうに続いて、とりとめのない鳥の話になってしまった。
やれやれ。

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2008.05.12 Mon 16:52:45 | 畑仕事| 0 track backs, 0 comments
アオサギは じれったい
サギ 「トッキョキョカキョク   トッキョキョカキョク」。
谷間の段々畑でホトトギスの初鳴きを聞いた。
卯の花の匂う山里にホトトギスが来て鳴けば、そりゃあもう「夏は来ぬ」だ。

 山里の鳥たちは今、巣作り・子育てに忙しい。
高い梢にいるのはアオサギか。

 2羽で巣作りをしている様子だったが、くわえて来た小枝を地上に落とした1羽が、それを拾いに行った?まま帰って来ない。
残された1羽は何をするでもなく、揺れる梢でぼんやりしている(写真)。
じれったい連中だねえ。

 彼らが川で魚を獲るところを見ようとしたことがある。
ところが、いつまでたっても川べりに突っ立ったまま流れを見詰めているだけ。
あんな調子で、ヒナを養っていけるのかなあ。

 「余計なお世話」とアオサギ夫妻は言うだろう。
「辛抱強い、のんびりした家庭を作りますから」と。 

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2008.05.11 Sun 16:40:43 | その他| 0 track backs, 1 comments
操縦席にいるのは?
        モミジの種

 雨に濡れたモミジの葉に赤いハンググライダーが着陸していた。
モミジの種は、そんな風に見えないこともない。

 2枚の翼は、風に乗って遠くまで飛んでいくのか。
それとも、くるくる回転しながらヘリコプターのように軟着陸するのだろうか。

 操縦席にいるのはモミジに宿る妖精だ。
汚れちまった人間には見えないが、生まれたばかりの赤ちゃんには見えるに違いない。  

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2008.05.10 Sat 17:09:46 | その他| 0 track backs, 2 comments
椎の木の花が匂う夜
椎の木の花  むくむくと沸き起こる雲のような。
砲弾が落ちた瞬間の土煙のような。
……泡立つ水のようにも見えるぞ。

 山の斜面のあちこちで黄金色に輝いているのは、木の新芽か若葉だと思っていたが、正解は椎の木の花だった。
この花は存外に強い匂いを放つ。

 蒸し暑くて、空気がどんより重い日。
山里は隅々まで椎の木の花の青臭い匂いに満たされる。

 今にも雨が降りそうな今夜は、とりわけ強く匂うだろう。
匂いの中に漂っていると、けだるさが募り、もうどうでもいいや、という気になってくる。

 危ない気分だね。
今夜は焼酎でも飲んで、早目に寝ることにしよう。

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2008.05.09 Fri 17:21:07 | | 0 track backs, 2 comments
タヌキが可哀相
キツネアザミ 写真は河原や空き地でよく見掛けるキツネアザミ。

 「花の姿はアザミに似ているが、近づいて見るとアザミではない。狐に『だまされた』ということで、キツネアザミの名前になった」と書いているサイトがあった。

 ふ~ん、そうだったのか。
だけど、どうしてこの人は狸にだまされたとは思わなかったのだろう。

 手元の図鑑を見ると、「キツネ」で始まる植物名は数多い。
キツネノカミソリ  キツネササゲ  キツネノチャブクロ  キツネノテブクロ  キツネナス  キツネノボタン  キツネノマゴ  キツネノロウソク  キツネユリ  などだ。

 これに対し、「タヌキ」で始まる植物名は、私の図鑑ではゼロ!
タヌキにいかなる恨みがあるのか知らないが、あんまりな格差ではないか。
今からでも遅くはない、せめて孫や手袋をタヌキに譲ってタヌキノマゴ、タヌキノテブクロと呼んでやろうよ。

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2008.05.08 Thu 17:24:37 | | 0 track backs, 2 comments
怪しい奴だ
        コンニャクの花

 色といい、形といいコンニャクの花は見るからに怪しい。

 こんな得体の知れない草の根を掘り出し、初めてコンニャクを作った人は天才に違いない。
氏姓名が分かれば当然、国民栄誉賞を追贈すべきだが、本人は恐らく奇人変人のたぐいだから、「そんなコンニャクみたいに訳の分からん賞はいらん」と断るだろうね。

 集落のばあちゃんにコンニャクの作り方を習おうと思いながら果たせないでいる。
そうこうしているうちに、コンニャク名人のばあちゃんが一人また一人、彼岸に旅立っていく。
うかうかしていられない。
今年こそ……だ。

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2008.05.07 Wed 15:53:34 | | 0 track backs, 0 comments
偽善者
エナガの巣 山の斜面の草むらに小鳥の巣が落ちていた。
内部にヒナや卵はなかった。

 高さ14センチ、幅9センチ。
外側を苔で塗り固め、中には羽毛が敷き詰めてあった。
時間を掛けて丁寧に作った暖かそうな巣だ。

 『鳥の巣の本』(鈴木まもる・岩崎書店)で調べたところ、エナガの巣だと思われる。
木の上の巣がカラスかヘビに襲われて地上に落下したのだろう。
エナガが出入りする穴が無残に大きく広げられていた。

 生きるために強者が弱者を襲うのは、自然界では当たり前の日常茶飯事だ。
可哀相などと感情移入しても仕方のないことは分かっているが、出来たら見たくないと思う。
食物連鎖の頂上にいながら、なんという偽善だろう。

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2008.05.06 Tue 16:23:18 | その他| 0 track backs, 0 comments
滅びゆく花
                 連休中はどこも人や車で一杯だ。
                到底出かける気にはならないのだが、今日は雨。
                少しは空いているだろうと期待して福岡県の星野村に出かけた。
         
         オグラコウホネ

 星野村は「耕シテ天ニ至ル」棚田が有名だ。
人間って凄いなと棚田を見るたびに思うが、今回はパスして「星の文化館」「茶の文化館」「古陶星野焼展示館」などを見学した。

 上の花は星のふるさと公園の麻生池に咲いていた。
スイレンのように見えるが、スイレンの花びらはもう少し先が尖っていたはず。
こんな花は見たことがない。
村の観光パンフレットには「オグラコウホネ(スイレン科の多年草)」と書いてあった。
オグラコウホネも初耳だ。

 家に帰って調べたら、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に指定されていることが分かった。
「コウホネ」は「河骨」、長い茎が骨に似ていることに由来しているのではないか、とも記してあった。

 滅びゆく貴重な植物が看板や柵がない所で無造作に咲いている。
盗掘の心配はないのだろうか。
看板なんか立てて人目を惹いたらかえって危ないか。
どうか不心得者が現れませんように。
 
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2008.05.05 Mon 17:31:39 | | 0 track backs, 3 comments
悪口を言ってはいけません
         ブルーベリーの花

 ミニ果樹園のブルーベリーの花が見ごろだ。
ブルーベリーの花見で賑わったなんて聞いたことがないから、“見ごろ”は可笑しいかな。
単に“満開”としておこう。

 ブルーベリーの花はドウダンツツジや馬酔木の花に似ている。
恥ずかしげにうつむいて咲き、口はミツバチが出入りできるかどうか心配になるほど小さい。
3分も眺めたら、「よしよし、今年も咲いたんだね」と満足し、気持ちは次に移ってしまう。

 だが、8月の半ばを過ぎるころ、この小さな花々は数え切れない実に変身する。
毎年、ジャムを作っているのに、「冴えない花だねえ」なんて悪口を言える立場かい?
いえいえとんでもない、よく見たら可愛いではないですか。
周りの新緑によくマッチしていますよ。

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2008.05.04 Sun 15:52:29 | | 0 track backs, 0 comments
これは巨大隕石に違いない
           きのうは石橋で、今日は石垣に鎮座する大岩の話題。
          2日続けて“硬い話”になってしまったが、ご勘弁を。
巨岩 集落のAさんの畑の石垣に場違いな巨岩が組み込まれている。
上下140センチ、左右155センチ。
小柄な人なら岩の上で手足を伸ばして寝られる広さだ。

 Aさんが、明治生まれのヒイ爺さん(曽祖父)から聞いた話では、この石垣が作られたのは江戸時代の末だという。
動力は人力と牛馬ぐらいしかない時代だから、巨岩を取り除くのをあきらめ、そのまま生かして石垣を組んだのではないか、というのがAさんの推測だ。

 なるほどそうかと思う。
だが、石垣をよく見ると新しい石材が数多く組み込まれていて、比較的最近大掛かりな修復工事が行われたことを示している。
そのころは重機もあっただろうに、なぜ巨岩を外さなかったのだろう。

 ここから先は私の想像だ。
石垣にめり込んでいるのは巨大隕石で、Aさんの祖先はこれを魔物を封じ込めるために天が投じたと信じた。
以来、Aさんの一族は「邪悪なものを世の中に出さぬよう石を外してはならぬ。口外も無用」と語り継いだのではないか。

 ふふふ、違うかな。
外に出ないはずの魔物が世に蔓延しているではないかと言われたら、この憶測は崩れるね。

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2008.05.03 Sat 17:04:56 | その他| 0 track backs, 0 comments
石橋の上で交差した人生
石橋 町老人クラブ連合会がまとめた『文化遺産マップ』によると写真のようなアーチ型の石橋が町内に14残っているという。

 石橋を眺めていたら昔、この橋を渡った人たちの姿が見えるような気がした。

 隣り村から嫁いできた花嫁、
汗と泥にまみれた農夫と農耕馬、
野辺送りの人の列、
歓声を上げて走る子供たち……。
昭和の時代には、召集された農民兵士達が軍靴を鳴らして渡ったことだろう。
石橋の上は単に人やモノが行き来したのではなく、人生そのものが交差したと言えないか。

 機械で作った現代のコンクリート橋は、後世の人にどんな感慨をもたらすのかな。
そこに人の姿はなく、甲虫類のような車の大群しか私にはイメージ出来ないのだが。

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2008.05.02 Fri 15:05:38 | 暮らし| 0 track backs, 2 comments
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