おおむね農夫、時に木こり。「山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし」(山頭火)。こんな生活のあれこれを綴ります。
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ボーブラ包み
 パサッと音がした。振り返ると、畳の上に大きなムカデ!天井から落ちてきたのだろう。すぐ裏が山なので、さまざまな虫が家の中に入ってくる。ムカデは、その横綱格だ。100本?の足を、もつれさせもせず歩き回る。気味が悪い。見つけ次第、火ばさみで掴んで水路に放り込む。外で遊んでいればいいのに……

 畑にも苦手な虫が沢山いる。中でも極小の吸血昆虫セセリ(ブヨのことか)は悩みの種だ。蚊柱状態になってまとわりつき、所かまわず噛む。噛まれると血が流れ、しばらく痛かゆい。それだけではない。奴らはどういうわけか、耳の穴や目に飛び込んでくる。チェーンソーや耕運機で両手がふさがっている時は、エンジンを止めて逃げの一手だ。

 セセリが悪さして困る、と近所の婆ちゃんに言いつけてやった。婆ちゃんは「ほんにセセリは、せからしかナ」(本当にセセリはうるさいねえ)としばらく考え、「ボーブラ包みをしたら、いくらかよかよ」と言う。

 ボーブラとは、このあたりの方言でカボチャのこと。人間の頭をカボチャに見立てて手ぬぐいでくるむ、つまり頬被り(プロフィールの写真参照)をしたらいいと教えてくれたのだ。

 なるほど、頬被りをすれば、セセリの耳への突入は防げる。それで畑仕事のスタイルは、こうなった。どんなに暑くても長袖、長ズボン、長靴。首に手ぬぐい、おでこに汗止めのバンダナを巻く。ボーブラ包みをした上に帽子をかぶる。軍手や腰の蚊取り線香も欠かさない。

 かくして、カッコだけは立派な農夫になった。野菜作りの腕前はどうか、とは聞かないでほしい。

 
20060619182157.gif  ←爺ちゃんがんばれと激励の一押しを

2006.05.31 Wed 17:27:43 | 暮らし| 0 track backs, 2 comments
なぜ、こんな田舎に来たと?
 降圧剤を毎月もらいに行く町医者のA 先生(50代・男)は大の話好きだ。大勢の爺ちゃん婆ちゃんが診察の順番を待っているのに、のんびりした口調で、こんな風に話しかけてくる。

 「ぼくは東京の医学部を出て、東京の病院に勤め、東京の人と結婚したとですよ。将来は東京で開業するつもりだったのに、親父が死んで、町に医者がいなくなると言われて仕方なく帰ってきました。あた(あなた)はなぜ、こんな田舎に来たと?ここは、な~んも無かでしょ。退屈しませんか?」

 一口では言えないから、適当に答えると、次の診察日にまた「なぜ、こんな田舎に来たと?」と訊かれる。不思議でしょうがないらしい。

 確かに町には鉄道、映画館、書店、銀行の支店、スーパー、ラーメン店、パチンコ等々「どこにだってある」ものが「な~んも無か」。それでも退屈したことは1度も無い。もともと、都会の人ごみ、騒音、ややこしい人間関係に飽きて、残された時間を静かな所で過ごしたいと考えていた。だから、何もかもある騒々しい土地では困るのだ。

 朝目覚めると、川の水音が聞こえる。早起きの小鳥たちが声を張り上げて鳴いている。裏山で孟宗竹がこすれる音がするのは、風があるからだろう。今日はキャベツを収穫しようか……いい土地を選んだものだとつくづく思う。我が選択に悔いはない。
 
2006.05.30 Tue 19:43:05 | 暮らし| 0 track backs, 6 comments
ウサギの子
 久しぶりにお天とさんが顔を出した。それでもまだ雲が多い。お天とさんのご機嫌が変わらぬうちに畑へ行くことにした。軽トラにトウモロコシの苗70本と草刈り機を積んで出発。家から10キロ離れた谷間の段々畑6枚は、畑の両側の山とともにTさん(80代・男)に無料で借りている。「もう自分では出来んけん、手入れしてもらうだけでどれだけ助かるか」というわけだ。

 雨続きでしばらく来ていなかったから、畑は草ぼうぼう。どこから手をつけていいか、呆然とする。雑草は刈っても刈ってもすぐ伸びる。イタチごっこの勝者は常に雑草だ。

 とりあえずトウモロコシを植えることにした。苗は昨年収穫した種をポットに埋めて、自分で作ったものだ。1週間ほど前に耕して、油かすを鋤き込んだ畑に全部の苗を植えるのに1時間あまりかかったか。小さな達成感と自己満足。

 一服してから草を刈り始めた。草刈り機は手だけではなく、腰を回転させて使う。「草刈りをやめないと責任は持てませんよ」と腰痛を診てもらっていた整形外科の先生が言っていた。そんなことを思い出しながら草をなぎ倒していく。

 突然、草むらの中で何かが動いた。マムシか!と、のぞき込んだら手のひらに乗りそうな小さいウサギの子が震えていた。危ないところだった。草刈り機で怪我をさせたら後味が悪い。うっかりマムシを踏んで噛まれたら、もっと後味が悪いけれど……

 親ウサギはどこだ。近くにほかの子ウサギもいるはず。今日は、もう草刈りはやめよう。どうせ1日では刈り切れないのだから。というわけで、畑仕事はお終い。

 素人のママゴト農業は何かと理由をつけて、1日3~4時間しか働かない。困ったもんだ。
2006.05.29 Mon 17:16:33 | 畑仕事| 0 track backs, 4 comments
遊び人の特権
 きのう「腰痛は農家の職業病」と他人事のように書いた。実は、かく言う私も10数年、腰痛と付き合っている。整形外科、整体、鍼、ペインクリニックを遍歴した挙句、7年前に手術して1カ月も入院した。それでも完治しない。

 熊本に移住してからも病院通いを続けたが、さしたる効果はなく、今年1月から温泉療法に切り替えた。温泉の歩行浴槽をひたすら往復、疲れたら体を洗ったり、一般浴槽でゆったり手足を伸ばしたりする。これだけで、思いがけない効果があった。痛みとしびれが激減したのだ。

 熊本は温泉が豊富で、銭湯感覚で気楽に行ける。お気に入りの「ならのさこ温泉」は車で30分ほどの所にあり、料金は500円。都会の豪華な温泉センターより遥かに安い。

 私は雨の日の朝や畑仕事を終えた平日の昼過ぎに行くことにしている。この時間帯は入浴客が少ない。広い浴槽をほとんど独り占めして、のんびり、ゆったり……循環式ではないので、お湯がもったいないほど浴槽からあふれていて気持ちがいい。

 風呂から上がると、リクライニングシートを倒して本を読み、眠くなったら眠る。真っ昼間からこんなことをしていいのかな。

 勤め人が職場を抜け出して温泉に行き、顔をテカテカさせて戻ったら、問題になるに違いない。平日の温泉通いは遊び人の特権である。リタイヤ生活も捨てたもんじゃない。


2006.05.28 Sun 18:10:55 | 遊び| 0 track backs, 2 comments
腰痛は農家の職業病
 同じ集落に住むMさん(60代・男)が脊柱管狭さく症で入院している。手術後1週間経ったので、熊本市内の整形外科病院にお見舞いに行った。

 2年ほど前に開業したという病院は明るくて、古い病院にありがちな気が滅入るような雰囲気はない。第1~第3駐車場は、ほぼ満杯、待合室では大勢の人が順番を待っていた。

 病室で横になっていたMさんに「どがんですか?(どんな調子ですか)」と声を掛けると、むっくり起き上がって「もうだいぶよか。病院の中を歩けるようになったけん」と元気そうだ。

 腰の痛みと左足の痺れが次第に悪化、入院直前には足の感覚がなくなり、歩けなくなったという。ハウスと露地栽培の両方をやっている農家に農閑期はない。いつでも何かすることがあるから、ついつい無理してしまったのだろう。

 集落には足腰の痛みを抱えている人がとても多い。昨年暮れからMさんまで、立て続けに4人が腰の手術をしている。昔に比べて機械化が進んだとは言え、足腰に負担のかかる作業は、まだまだある。腰痛は農家の職業病と言えるかも知れない。

 機械のない時代に山を削り、石垣を組んで棚田を作った先人たちの苦労はいかばかりか、今更ながら思う。


   
2006.05.27 Sat 16:01:58 | 暮らし| 0 track backs, 11 comments
静かな朝
 コーヒーの豆をガリガリと挽いた。部屋がコーヒーの香りで満たされる。外は雨。ホトトギスがしきりに鳴いている。とても静かな朝だ。

 勤め人のころは毎晩のようにネオン街を徘徊していたので、朝起きるのがつらかった。コーヒーを飲みながら小鳥の声に耳を傾け、山や空を眺めた記憶は無い。いつもギリギリまで寝て、半分寝ぼけた状態で慌しく出勤していた。

 田舎は何かと不便だが、都会では得がたい穏やかな時間がある。サラリーマンとしての体面を保つ窮屈な制約もない。ネクタイを締めるのは葬式のときぐらい。畑仕事は作業着と長靴、街に出るときもこざっぱりした服とスニーカーで事足りる。

 山里に移住して5年。背広、ネクタイ、ワイシャツ、革靴などを買ったことがない。長い年月、高い金を払って窮屈な思いをしてきたものだと思う。
2006.05.26 Fri 15:06:52 | 暮らし| 0 track backs, 3 comments
ブログ事始め
 今日からブログを始めた。用語、操作方法など分からぬことばかり。暗闇を手探りで歩いているようなものだ。少しずつ覚えながら前へ進んでみよう。

 グリーンピースを収穫した。近所にお裾分けし、それでも食べきれない分を「道の駅」に出荷する。250グラム入りで1袋100円。20袋出荷したが、全部売れたとしても金額的には大したことはない。1割の販売手数料や袋代、バーコードつきラベル代を差し引くと、1袋70円ぐらいになるか。

 グリーピースは、枝豆のようにサヤの先端を少し切って塩ゆですると大変おいしい。大皿に盛った湯気の立つ豆をつまみながら焼酎を飲む。口の中に豆の甘味が広がり、焼酎の刺激を和らげてくれる。この季節ならではの贅沢だ。

 

 

  
2006.05.25 Thu 16:36:48 | 畑仕事| 0 track backs, 2 comments
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